台湾通信 vol.9 佐々木滋
野球の23歳以下の世界大会「U23WBC」が、
10月13日から23日まで台湾で開催されました。
図のような12ヵ国が参加です。
どういう基準でこの12ヵ国が選ばれたのか、
地区予選があったのかはわかりません。
最大の野球王国アメリカは参加していませんでした。
年齢制限のない「WBC」もそうですが、
野球の世界大会はどうも大会運営の基準がはっきりしません。
「WBC」に出てくるアメリカチームは大リーガーがいないので最強チームではありませんし、
世界大会と言う名前がふさわしいのかいつも疑問に思っています。
サッカーのワールドカップとはいろいろな点で異なります。
何はさておき、今回の「U23WBC」は社会人チームの若手で固めた日本チームが
接戦の末優勝しました。
参加国は図を見ての通りで、
野球と言うのは偏った地域で盛んなスポーツだというのがわかります。
東アジア、北中南米、オーストラリアと欧州の限られた国、
アフリカは南アフリカだけです。
盛んな国は、ちょうど国際経済連携関係の「TPP」に参加している国と同じような感じです。
欧州からは今回オランダとドイツが参加していました。
オランダは野球の国際大会の常連ですが、ドイツの参加にはびっくりしました。
ドイツ人も野球をするのかと。
テレビで見るドイツチームはバットコントロールにしても
グラブさばきにしても小さいころから野球に親しんでいる
東アジアの選手に比して大いに見劣りがします。
ところが試合では結構強豪に対して善戦です。
たまたま見た日本戦も早い回でコールド負けかなと思っていたら、
結構粘っていました。
(結果は0:6で負けましたが)
サッカーのワールドカップでは予選リーグで日本はドイツと戦います。
実力的に立場は野球と反対ですが、
日本チームには善戦でなく、番狂わせで勝ってほしいものです。
話は変わりますが、台湾ではコロナが一向に収まりません。
2019年にコロナが世界中ではやり始めたころ、
その感染抑え込みに成功した優等生国という感じは今はありません。
連日、新規感染者が3万人から5万人ほど出ています。
日本のそれが2万人台になったころも5万人台でした。
日本の人口1億2千万に比して台湾は2千3百万人、この数は多すぎます。
ワクチンの接種率は2回目まで打った人が80%、
3回目となると50%台と低いのが理由かもしれません。
こちらの人はコロナは風邪のようなもの、罹ったら罹ったで仕方なしの感覚です。
海外からの旅行者も11月からほとんど制限なしで受け入れます。
政府の政策も自然に収まるのを待つということのようです。
(2022年10月28日)
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台湾通信 vol.8
<プレミア/ブンデス観戦記-後編> 佐々木 滋(台湾在住会員)
さて、今回は観戦記を中心にご報告いたします。
まずはプレミアのMUNの試合イギリス編から。
「イギリス」
スタジアムは76.000人収容のオールド、トラフォードスタジアム。
トラック無しのサッカー専用競技場。観客席の上には屋根があり雨/雪でも観戦問題なし。
私の席は2階席のゴールラインの延長上あたり、見やすい席でした。
赤い服をまとったサポーターたちのはゴール後ろの立見席。
相手チームの為にも反対側のゴール後ろの一つのブロックが確保されています。
知人にフーリガンに気を付けてと言われましたが、そんな人は見かけませんでした。
普通のサッカー好きの人が見に来ている感じで、息子を連れてきているお父さんの姿もちらほら。
サポーター席は盛り上がっていて怖い感じがしましたが。
PM8:00キックオフ、
MNU(現在リーグ戦5位)と下位に低迷するバーンレイの試合で
タレント集団のMNUの一方的な試合と思いきや、
バーンレイがしっかり守ってのカウンター狙いの試合展開で
前半はなんとバーンレイの1点リードで終了しました。
後半も同様の展開でMNUは攻めてはいるものの決定的なチャンスを作れず、
逆に後半35分にカウンターから再び1点を失いました。
この時点で勝負あったとみた人が続々帰り始めました。
私もあのマッチ箱のような路面電車での帰りの混雑を恐れてここでスタジアムを後にしました。
スタジアムの外を歩いている時に大歓声が聞こえて
「あ、MNUが点を取ったな」と思いましたが駅へと歩を進めました。
駅のホームで人々がNetニュースでMNUが2点を返して2:2のドローだと話しているのを聞き、
一番盛り上がる場面を見損なったなと後悔しましたが、後の祭りでした。
(早めに出たのに駅のホームはすごい人、ホームには入場制限さえかけられていました。
10分ほど待たされて満員の電車に揺られてホテルへ。
あの電車はせいぜい400人乗れるかどうか、
どうやって数万人の観客を市街地まで運ぶのか今でも不思議に思っています。
改善しないのかも不思議です。日本だったら何か手を打つでしょうが、。)
「ドイツ」
スタジアムは52.000人収容のバルトシュタディオンスタジアム。
ドイツワールドカップの時に作られたとかで、周りを森に囲まれた郊外にあります。
隣には練習場、平日には選手の練習が見られるとか。
やはりトラック無しのサッカー専用競技場で、全面屋根付きで
フィールド中央上部には大きなスクリーンが、選手紹介やプレーのリプレーが見られます。
私の席は今回も2階席、ペナルティーエリアの延長上くらいの位置でこちらも見やすい席でした。
欲を言えば1階席で観たかったですが。
観客は行きの電車の中からビールを飲んで盛り上がっている人が多く、女性や家族連れもたくさん。
スタジアムの周り、中にも警官が多数配備されていて物々しさはこちらのほうが上です。
ビールを飲んで酔って暴れる人がいるのでは?
スタジアムの外には軽食とビールを出す店があり多くの人が試合前にビールを飲みながら楽し気に歓談していました。
試合はPM3:30キックオフ、
リーグ戦首位のドルトムントと5位のFFTの黄金カードですが、
見ていても明らかにドルトムントが実力が上、
早いパス回し、怒涛の攻め、FFTは立ち上がりから守勢です。
リベロ長谷部の活躍で何とかピンチを切り抜けていましたが、FFTは前半に1点を失います。
後半も同じような展開でしたが、FFTは後半に1点を返しました。
その時のスタジアムは地鳴りのような歓声に包まれました。
結局、試合は1:1の引き分け、FFTにとっては上出来の結果だったと思います。
長谷部はフル出場、チームのキープレーヤーです。
チームメートにとても信頼されている感じでした。
<筆者:佐々木 滋さん>
「スタジアムの盛り上がり」
どちらの国でも今回一番感動したのはあのスタジアムの盛り上がりです。
おらがチームを応援するサポーターが一斉に声を出す、歌を歌う、
旗を振るの中にいる臨場感はテレビでは味わえないものでした。
印象に残っているのはFFTの試合前、観客が立ち上がって、
声を揃えて、多分チームの歌でしょうが、歌を歌うんです。
その時に多くの人がマフラーを両手に広げて左右に振るのはスタジアムという
畑に白と黒のチームカラーのマフラーの華が風に揺れるようで感動しました。
一度、サポーターになってチームを応援したら、多分病みつきになってやめらくなるんでしょうね。
「余禄」
① 書きましたように競技場までの交通手段がイギリスとドイツでは雲泥の差。
イギリスのサッカーファンはあの劣悪な交通手段に文句を言わないとすると
よっぽど人間が出来ているんでしょうね。ドイツほうは素晴らしいです。
② お土産売り場はこれはイギリスのほうが上。大きなショップに選手のユニフォーム、
記念品、帽子、マフラー、、、
中国人の観光客が買いあさっていました。
逆にドイツのショップはお粗末で選手のユニフォームも無し、
長谷部のを買いたかったんですが。
③ マンチェスターシティーの競技場にも行きましたが、
こちらは市内から近くて路面電車で10分位、
駅を出るともうそこがスタジアムです。
ギフトショップもMNUと同じように充実。
しかし、この競技場もアクセスは路面電車のみ、
不思議ですどうやって試合後の数万の観客をさばくのかが?
④ 寒さはイギリスもドイツも同じようです。
0度前後で底冷え、今年は暖冬で暖かいと言いますが、寒かった。
ユニクロのヒートテックも効きませんでした。
⑤ 10日間の旅行で幾らくらいかかったかと言うことですが、
ホテル代が10日間で 10万円
チケットが2試合で 6万円
食費や雑費が5000円/日 5万円
ですから、21万円に足すことの飛行機代になります。
チケットは上手く買うともう少し安くできるでしょう。
チケットをご自分で手配なさろうとすると多少英語ができないと難しいです。
以上のようにご報告いたします。
帰ってきたら、また、行きたいなと思っています。
熱烈サポーターの中に身をおいて世界最高峰の試合を見る。
でもあの寒さに閉口しました。
もう少し暖かい時に。
2019.2.18 その1(前半)はこの下に
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<プレミア/ブンデス観戦記-前編>
サッカー関係者/サッカーファンなら皆さん持っている夢
「一度はヨーロッパのメジャーリーグの試合を見たい」を、私は実現させました。
1/28~2/5までイギリスとドイツに行きプレミアとブンデスを見て来ました。
イギリスはマンチェスターでマンチャスターユナイテッド(以下MNU)対バーンレイを、
ドイツではフランクフルトでフランクフルト(以下FFT)対ドルトムントの黄金カードを観戦です。
今回の台湾通信はその観戦記を2回に分けてレポートいたします。
前編は観戦のチケット購入などの事前準備について、後編では実際の観戦レポートを中心にご報告します。
「旅程」
ヨーロッパのリーグ戦は基本的には毎週土曜日、平日に不定期にカップ戦やヨーロッパチャンピオンリーグの試合が組まれます。
私が行った週はMNUが変則で火曜日夜(1/29)、FFTは定期日の土曜日(2/2)でしたから
往復/移動を入れて10日間で2試合観られるのスケジュールを組めるので、この日程にしました。
具体的には1/28にオランダのアムステルダム経由でマンチェスターに入り、
1/29に試合観戦、1/30はマンチェスターシティーのスタジアム見学をして、
1/31にドイツのフランクフルトに入る、
2/2の試合観戦以外は観光にあて、2/4のフランクフルト発の飛行機で帰国です。
(時差が8時間あり到着日は2/5でした)
「観戦チケット購入」
イギリス:MNUは外国人は購入者の国で購入方法が異なります。
EU諸国と中国はNetで直接購入できますが、その他の地域の人は暫定会員になって特別チケットの購入です。
私は後者ですから価格は275ポンド(=40.000円)です。
このチケットにはMNU博物館の入場券/クラブハウスでの軽食と飲み物/観戦チケットがセットになっています。
Eメールで申し込んでクレジットカード決済、試合当日スタジアムのチケット交換所で領収書を見せて交付を受けます。
普通に買うとチケットは60ポンド~25ポンドですから10.000円~3.000円くらいです。
対戦カードによって値段が変わるそうです。
本当は観戦チケットだけを買いたかったのですが、規則でそうなっているのでやむなしです。
ドイツ:すべてNetです。私の場合はFFTのホームゲームですからFFTのサイトに入り購入です。
このサイトはすべてドイツ語ですが「チケット購入」のところに
日本語でステップを踏んで教えてくれるところがありますから、それでできます。
但し、黄金カードは一般の人はまず買えません。
と言うのは発売日が会員には数日早くなっていて、会員であっと言う間に完売になってしまいます。
私の試合も首位ドルトムント戦の黄金カード、一般の人の購入日にアクセスしましたが、完売になっていました。
ドイツに住む友人がスイスにあるチケット転売会社(Viagogo)を紹介してくれて、そこにアクセス。
転売チケットを購入しましたが、原価48ユーロ(=6.000円)が約3倍の値段です。
やむなく購入手続き、チケットは国際宅急便で自宅に送られてきました。
普通にチケットを買うとイギリスと同じく10.000円~3.000円くらいのようです。
(ちなみに両国とも現地にチケットを購入してくれるサービス会社があり(日本語OK)
そちらを通すと価格は1枚50.000~70.000円くらいです)
「競技場へのアクセス調査」
イギリス:マンチェスター市の中心ピカデリーから路面電車で20分、
「オールド、トラフォード駅」から徒歩で10分位のところとあります。
ヨーロッパのほとんどの都市には路面電車があります。
庶民の足ですが、2両から4兩編成の電車ですから何万人もの輸送は大丈夫なのか不安を感じました。
ドイツ:フランクフルト中央駅から長距離列車か市内から出る快速電車で2つ目の駅「スタジアム」下車です。
私は一度フランクフルトを旅行したことがあるので線路沿いのスタジアムを見たことがあります。
ドイツの電車は本数が多くて便利ですから観客輸送は大丈夫です。
準備万端、寒さ対策もばっちりしていよいよ出発です。
さて後編では実際の観戦記を中心にご報告いたします。
2019.2.18 その2(後半)に続く
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